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講談社・現代ビジネスに寄稿しました

日大アメフト問題で分かる「組織を殺す広報」「生かす広報」

· 活動報告,メディア掲載

「日大アメフト問題」​においての広報

本日、2018年5月28日、日大アメフト問題に関する記事を、講談社「現代ビジネス」に寄稿させていただきました。

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編集部サイドからこのお話を頂いたとき、「引き受けたい」という思いと、「他に適任者がいるのではないか」という思い、両方の気持ちが生まれました。私は広報のコンサルタントで、仮にクライアントに不祥事が発生したら危機管理対応もしますが、「危機管理の専門家」ではありません。実際に編集部には、「それならAさんのほうがいいのでは…」「Bさんなら紹介できますよ」という話もしています。それでも、担当編集者は私と仕事をしたいと言ってくれました。

専門家ではない私が本件を引き受けた理由

寄稿内容は、現代ビジネスの記事を読んでいただければ幸いです。

一応断っておきますが、今回の寄稿に売名行為的な思いは一切ありません。ありがたいことにお仕事はたくさん頂いていますので頑張ってしゃしゃり出る必要もありませんし、連日のように目まぐるしく状況が変わる本件をリサーチしながら執筆するのはかなりのハードワークです。また、かなりセンシティブな問題ですので、寄稿が逆に私を炎上させることにもなりかねません。編集者とも、そのリスクについては話し合いました。それでも、本件をお引き受けしたいと思いました。

私が広報の世界に飛び込んだ理由が、私を当事者にさせた

担当編集者が本件を私に依頼してきたのは、私が日大アメフト問題について広報目線で憤りを感じている旨をFacebookにポストしていたのを見かけた、というのがありますが、それよりも重要だったのは、彼が「私が広報の世界に飛び込んできた理由」を覚えていた、というのが大きいと思っています。

記事の最後にも書いていますが、私はPRコンサルタントになる前はビジネス書の出版社に10年近く勤務していました。

最後の数カ月は編集部にいましたが、徹夜で本を作っても本は売れないし、完全に業界が自転車操業状態で、一つひとつの本を丁寧に企画したり、PRしたりする余裕はどこにもありませんでした(もちろん、優秀な編集者はそんな環境でもヒット本を作って行くわけですから尊敬します)。

その中で、「せっかく良い本を作っても人に存在が知られていなければ存在しないも一緒、つまり犬死だ」と思い、だったら自分はPRのプロになろう、と思ったのが転職の動機です。

「知られていない」は「もったいない」

上記は本サイトにも書いているキャッチフレーズですが、本当に「知られていない」は「もったいない」だと思います。

せっかくそこに存在しているのに、石ころのように誰も目をくれない。それは、悲しすぎます。

そしてもっと酷いのは「知られていない」より「誤って伝わっている」状態です。今回の日大アメフト部の事件は、まさに広報のヘマによって日大そのものが悪のように伝わった、”広報の自爆テロ”です。私はこれに対し自分の経験から、強い憤りを感じました。

だから、私にできること。

今回の事件に対して、SNSを見ていると「外野は黙っていろ」的な論調も見受けます。しかし、外野って誰で、どこからが当事者なのでしょうか。不祥事を娯楽として消費するのは論外ですが、誰が当事者かを決めるのは自分自身ですし、当事者だと思ったら、自分ができることをすれば良いのです。だから私は、下記のふたつを行うことに決めました。

・世に対して広報の重要性を伝え、それぞれに広報のあり方を考えてもらう(本寄稿もこの一環)

・次は我が身と考え、より一層クライアントに寄り添った仕事ができるように精進する

本寄稿によって、少しでも広報の重要性が伝わり、それぞれの企業や組織が、自分の魅力を思う存分世の中に伝えられるようになることを、心より祈ります。

最後に、講談社「現代ビジネス」編集部・滝 啓輔さん。今回は、素晴らしい機会をいただきまして、本当にありがとうございました。お互いに「まさかこんな形でこの人と仕事することになるとは〜」という気分でしたね。

滝さんの仕事への情熱、フットワークの軽さ、企画・編集力、どれも本当に素晴らしく、プロの仕事を肌で感じることができてよかったです。これからも、互いに世界に向けて、情報を発信していきましょう。

引き続き、どうぞよろしくお願いします。