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君の名は。Kiss and Cryについて

思いを伝えるメッセンジャー。

· 独立関連

六本木のKiss and Cryです。

…というと、まるっきり夜のお店だよなあ、と本人も思うわけですが、Kiss and Cryという名を名乗っています。「どういう意味なんですか?」とよく聞かれるのですが、シーズンですね、最近になって「アレですよね?」と言われることが増えたので、この機会にお話させてください。

オリンピックで認知度アップ?

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平昌オリンピックが始まりました。人気種目はやっぱりフィギュアスケートですよね。で、中継を見ていて「あ。」と思った方たちもいらっしゃるようです。そう、フィギュアスケートの選手が一番最後にインタビューをする場所こそ「Kiss and Cry」なのです。以下、ウィキペディアより。

選手とコーチは、しばしば良い演技をした後に、それを祝うために接吻をしたり、失意の涙を流したりするので、その名前が付けられた。この場所は、通常、リンクの角または端に位置し、スケーター及びコーチが競技結果を見る為のモニターが設置されており、ベンチまたは椅子が備えられている。テレビ中継や報道機関の写真撮影のために、花やその他で装飾されていることが多い。1983年にヘルシンキで開催された世界フィギュアスケート選手権で大会組織委員であったフィンランドのフィギュアスケート役員ジェーン・エルコが、イベントに先立ってアリーナを訪れた際に、テレビ局の技術者の口からその名前が出たと言われている。オリンピックでは、1984年のサラエボオリンピックで公式の待機場所が登場した。「キス・アンド・クライ」という言葉は1990年代初めから広く使われていたが、国際スケート連盟規則でも公式に使用されている。「キス・アンド・クライ」はオリンピックで非常に人気のある。アメリカとその他の各国のスケート連盟は、待機中の振る舞いをスケーターに指導している。いくつかの体操競技でも「キス・アンド・クライ」という言葉が使われている。

実は私、かなり筋金入りのフィギュアスケートファンなんです。子供の頃から憧れでした。それこそ、幼稚園の頃には「ケーキ屋さん」「お花屋さん」とならんでなりたい職業ランキングに入っていたくらい好きで、好きな選手の話を始めると少しうざいくらい話します(アレクセイ・ヤグディンとかジョニー・ウィアーとか、ちょっと前の方が好きです)。

クラシック音楽も結構聞きますが、これもフィギュアスケートの影響。競技を見て音楽に関心を持ち、CDを買ったりコンサートに行くようになりました。

名前という不思議な呪文

もう少しフィギュアスケートと私のつながりを話すと、どうやら私の名前のきっかけのひとつに、フィギュアスケート選手とのつながりがあるらしいです。70年代に活躍した渡部絵美さん。メディアで呼ばれるその名前を聞いて、なんとなく父は響きが気に入っていたそうです。渡部さんは私が生まれる前に現役を引退しましたが、子供の名前をつける際に「エミ」という響きを思い出したと言っていました。もちろん、他にも色んな理由があるんですけどね。

 

夢枕獏の「陰陽師」の書き始めは、確か「名」についての話で始まっていたように思います。「名前はこの世で一番短い呪」と。この説はかなり共感を持っていて、言葉は「言霊」と言うくらいでチカラを持っている。意識しなくても、なんとなく言葉の由来や響きに引っ張られる。そう考えると、私が「Kiss and Cry」という屋号を名乗ったのも、なんだか古い縁のようなものを感じる次第です。

「クライヤー」という職業

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でも、このフィギュアスケートとの関わりは全くの後付です(笑)

元々、私は副業時代から「クライヤー」という肩書を名乗っていました。「クライヤー」とは、民衆に対して重要なニュースを叫んで伝える役割の人です。「タウンクライヤー」とも言うそうです。情報伝達の手段も限られていて、識字率も低かった時代は、こういう職業が合ったんですね。ちょうどいい写真がなかったので、東洋経済さんの下記の記事をご参照ください。この写真の方が「クライヤー」です。

副業時代、前職との契約の関係で、PR業務はお引き受けしないで、ライティングやコミュニティ作りだけを請け負っていました。「PRコンサルタント」と名乗れないので変わりに何かないかと思ったときに、この「クライヤー」がPRの起源なのではないかという仮説を読み、ピンときて使っていた次第です。

なので、独立を決めた際も、当初は「クライヤー」という屋号を想定していました。が、ある、私のことをよくわかってくださっている人生の先輩が、「もうちょっとスパイスがほしいよね。」と言い出したのです。忘れもしない、2017年9月の六本木の餃子屋で。ビール片手に、5秒くらい考えて。

「ねえ、Kiss and Cryは?」

と、その人は私の人生を変える発言をしたのです。

Kiss は「想い」や「情熱」

Cry は「世界に向かって、叫び伝えること」

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その人は私とフィギュアスケートの関係を知らなかったと記憶しています。なので、完全に「クライヤー」という言葉と、私の仕事へのスタンスやキャラクターから、この言葉を導き出したはずです。ビール片手に餃子をつまみながら。

この言葉は衝撃でした。なぜならそれこそ「私がやりたいこと」だし「私という人間そのものだ」と思ったのです。一言で言うと、「私らしい名前だ」と。

私たちのような広報代理業は、お客様の思いや製品を当事者に変わって世の中に伝えることを生業にしています。

お客様の「想い」「情熱」「製品」「サービス」そして「それを伝えたいと思う私の情熱」「Kiss」と呼ぶ。

そして、「たくさんのKissを胸に世界に伝えること」「Cry」と呼ぶ。

この、2017年9月中旬時点では、私の独立はまだ未確定でした。同業他社への転職や、企業広報の道も、本当に僅かですが考えていました。しかし、この名前をもらった瞬間に、私は自分の分身や子供に出会ったような気分になりました。そして気持ちが固まったのです。「この名を守るために独立しよう。」と。この名があったから、独立までこぎつけられたのです。そしていざ独立してみると、「落合さんらしい名前だね。」と言ってもらえます。本当に良かったし、きっとこの思いも生業もブレない。まさに「言霊」だと思いました。

名刺交換すると、時期柄、フィギュアスケートとの関わりを聞かれることが多くなりましたので、ここで少し屋号の由来について書かせて頂きました。

そんなわけで、株式会社サンブリッジの谷口さん、素敵な名前をありがとうございました!また飲みに行きましょう!