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副業・パラレルで働く前に考えるべきこと。

週刊ダイヤモンド「副業特集」でわたしが伝えたかったこと。

· 副業,パラレルキャリア,独立

週刊ダイヤモンド「副業特集」

すでに他のエントリーでもご報告済みの通り、週刊ダイヤモンドの2018年3月10日号「人生を再選択する副業」で会社員時代の取り組みを紹介させていただきました。

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普段はダイヤモンドの記者さんに情報提供をしてクライアントの取材を取り付けるのが私の仕事ですが、まさか自分がダイヤさんに取材される日が来るとは思ってもみませんでした。約1時間の取材でしたが、こちらの実績や独立までの取材を丁寧に取材頂きました。ご担当のMさん、本当に素晴らしい時間をありがとうございます。

「副業特集」でわたしが伝えたかったこと。

本当に「時代の流れ」だと思いますが、「副業について教えてください」というお問い合わせを多く頂きます。ダイヤの取材のときもそうですし、個別の相談のときも必ずお伝えしていることがありますので、少しまとめてみました。

その前に、私のキャリアについておさらい。

その前に、自分の副業・パラレルキャリアについて少し整理します。

自分が正社員以外の活動に関心を持つようになったのは、東日本大震災がきっかけでした。当時の恋人が理事を勤めていたNPOを手伝い始めたのがきっかけです。その頃ちょうど「プロボノ」という言葉が浸透し始めていました。肉体労働や事務的なボランティアではなく、自分のスキルを活かしたボランティア活動です。すでにPR会社に勤務していた私は、広報面でこのNPOをバックアップするようになり、推定ですが、1年間で広告換算5億以上のメディア露出を稼ぎました。もちろん無償です。恋人の役に立てることが嬉しいし、恋人をメジャーにする手助けができる、それが私にとっての報酬でした。

当時の恋人との別れの後も、私は東北を愛し、いくつかのNPOをお手伝いするようになりました。しかし、活動を続けるには「活動費」が必要になります。特に私の活動拠点は東北ですので、どうしても交通費がかかります。ここをなんとか補えないかと思ったときに、「副業」という考え方が私の中に生まれました。幸い、東北界隈ではすでにプレイヤーとして認知され、実績もあったので、いくつかのNPOさんから活動費をいただけるようになりました。当時所属していた会社の社長に相談したところ、本業であるPRとバッティングしなければ副業をしてもいいというお許しをいただき、ライターやコミュニティの運営者として副業を開始しました。下記が、おそらく私が最初に有償で書いた記事です。ETICさんには、私が今のキャリアを築く上で多くのチャンスと刺激をいただきました。

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その後、ライターとしての可能性と文章を書ける喜びを感じた私は、東北に限らず自分の趣味である「旅」や「地域のこと」に関わる副業を増やしていきます。このフェーズではランサーズのみなさんに本当にお世話になりました。

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この頃から、徐々に「新しい生き方」「新しい働き方」そして「パラレルキャリア」という言葉が広まり始めました。私が尊敬する方の一人であり、コミュニティマーケティングの先駆者として名高い小島英揮さんの活動からも多くの刺激をいただきました。

この頃になると、「落合は副業をしている」という認知がだいぶ広がり、本業であるPRのご相談も受けるようになってきました。しかし、先述の通り私はPR業務を有償で行うことは禁じられています。そうすると「本当は自分の力でサポートできる人」を、見捨てる事になってしまいます。ここにジレンマを感じるようになりました。

その末に「PRパーソンは仕事を選ぶ必要がある」と感じて、その他諸々タイミングもあり独立に至ったのは、過去のブログでもご紹介したとおりです。

副業・パラレルで働く前に考えるべきこと。

長くなりましたが、ここからが本題です。

「副業やパラレルキャリアを始めるか悩んでいる。」「やってみたがうまくいかない。」という人に一番伝えたいこと。それは「目的の明確化」と「性格的な向き不向き」を知ること、そして「要件定義」です。

「目的の明確化」と「性格的な向き不向き」

「副業」と言っても、様々なタイプがあります。そして一口に「副業したい!」と言っても、様々な目的があるはずです。ところが、ここが整理できていなくて闇雲に副業に手を出すと、あまり良い結果にならない印象があります。

単純に今の本業だけでは収入的に満足できない人がいたら、効率よくおカネを稼げる副業を見つけるべきでしょう。肉体労働系や、一部の飲食店での仕事がそれに当たるかと思います。また、本業で特殊なスキルを身に着けている人はそれを活かすと良いかと思います。

また、本業には満足しつつも、社会貢献的な観点で副業を望む人もいるでしょう。そういう人は、収入よりも関わる企業・プロジェクトの社会的価値に注視すべきです。

次のキャリアチェンジのために実績を積むというのもよくある理由かと思います。その場合は、多少ハードで低収入でも、新しいことにトライできるかで判断すべきでしょう。

ごく当たり前のことを書いていますが、案外ここを仕分けられていない人を見かけます。

よくあるパターンが、「とりあえず自分のスキルを活かして副業でも本業と同じ仕事をしてみたが、毎日同じ仕事ばかりでやりがいが見いだせない」という話です。収入面の課題を解決したいなら、既存のスキルを使って副業をするのはベターな判断です。でもこのタイプの人は、そもそも新しい挑戦をしたいとか、環境を変えたいといった願望がある方だと思います。自分の「なぜ副業をしたいのか」という問に答えられないと、こういったミスマッチが生まれがちです。

自分の場合、駆け出しのライターだった頃に、媒体が定める報酬の半額でライティングを引き受ける事がありました。これは自分の中で、「大手メディアで記事を書いたという実績と自信が欲しい」という明確な目的があった故の行動です。買い叩かれたのとは全く違います。目的が明確なので、自分の中で価格に対する不満も起きません。

また、「性格的な向き不向き」を把握することも重要です。いくら優秀で、時間に余裕があって、仕事そのものがあったとしても、「副業に向かない性格の人」はいます。本業を持ちつつ仕事をするのは楽なことではありません。時間管理や、体調管理を滞り無く行い、責任感を持って仕事を回せるか。特に日本ではまだまだ副業に対してネガティブな印象があります。「副業を受注したものの、周りの目が気になって良いパフォーマンスが上げられなかった」という経験は私自身もあります。自分がそういったプレッシャーに耐性がある人間かどうかは、事前に掴んでおきましょう。スキルと性格の適性は別軸で考えるべきです。これは、独立・起業でも言えることですね。

「要件定義」を誤ると仕事はうまくいかない

もうひとつ大切なのが「要件定義」です。元々はシステム開発の用語ですが、ここでは「発注企業が副業ワーカーに望んでいる成果やコミュニケーションの密度と、ワーカー側が副業で実現できる成果やコミュニケーションのすり合わせ」という意味で使っています。

契約時にはできるだけ詳細に、しかも可能な限り明文化して、仕事内容の取り決めを行いましょう。副業に限らず日本企業はこのあたりを曖昧にしがちです。労働者側もそうです。しかし、専業・正社員で、ある程度の拘束力を持った雇用契約と違い、副業は成果や円満な関係性が築けないと即解約で、それは双方にとって残念なことです。そうならないためにも、企業側はワーカーに何を求めているか、ワーカーは副業で何を生み出せるかを事前にすり合わせましょう。

「でも、契約前から”○○は出来て××は出来ません。働く時間は週に△△時間までで、それ以上は無理です”なんて言ったら受注できる仕事もできなくなるんじゃないか。」と思うかもしれません。それで失注する仕事は予め失注すればいいのです。そもそも他にも仕事がある以上、過度な無理はできないのです。どうせ成果が出せなければ契約解除になるわけなので、それであれば最初から正直に自分が出来ることを伝えるべきです。ただしここでも考慮すべきなのが、先述の「副業する目的」です。多少キツくても実績がほしい、お金がほしい、などの明確な目的があるのであれば、「要件定義」の仕方も変わってくるでしょう。

そもそも、日本ではまだ副業が一般的ではないので、労働者側が手探りなのと同様に、雇用する企業側も手探りなのです。初めての彼氏彼女のようなものです。そこは双方手の内を見せて要件定義を行う必要があります。労働者側が過度に下手になる必要はないと私は考えます。

ここまで来たら、あとはTry and Error.

副業をする目的が明確になり、性格的にもうまく行けそうで、取引先との要件定義も出来たら、あとはやってみるだけです。ここは責任感を持ちつつ、「えいやっ!」という感覚で初めて見るといいと思います。なぜなら、結局のところ何ごとも「やってみなければわからない」からです。やってみて初めて分かる自分の適性や苦楽というものがあります。やってみて、振り返って、心に素直に手を当てて考える。そのときに「いけそうだ」と思えば続ければいいし、「案外難しい」とか「副業自体は良いが、この案件は難しい」と思ったら、違う方向に舵を切ればいい。物事は実にシンプルです。

今は本当にいい時代になってきたと思います。いろんな挑戦が、以前に比べてしやすくなっています。

副業について悩んでいる方は、まずは自分の気持ちと向き合って、自分の置かれた環境をよく見て、「よしやろう!」となったら誠意を持って取り組む。取引先はもちろん、自分自身にも誠実に向き合って。

ご感心がある方は、是非挑戦してみてください。私で出来るアドバイスは、いつでもさせていただきます。人と話すことで、私の思想や行動もブラッシュアップされていきますので、ウェルカムです。

【ご参考】おすすめの副業プラットフォーム(自分も登録しているもの)

ランサーズ … 言わずと知れた、クラウドソーシング最大手

コデアル … 高収入副業に特化したプラットフォーム

SkillShift … 地方創生・地域貢献に特化したプラットフォーム

SAGOJO … 旅をしながらお仕事ができる案件を紹介